12年前のターニングポイント
ちょうど12年前の昨日、
僕にとってのターニングポイントな出来事がありました。
※毎年この日が近づくと、この日の事を思い浮かべます。
当時の僕は人間関係にひどく悩み、お店も赤字続きでした。
お休みなしの早朝から深夜までの長時間労働に、心身共にヘトヘト。
過労やら心労やらで、ダウンしてしまう事もしばしばありました。
で、病院に行けば「鬱ですね。ゆっくり休んでください。」と診断され、
でもお店を休む訳にもいかず、処方された薬を飲みながら、((なんとかしなきゃ…))と思う日々が続いていました。
そんなある日、たまたま業者さんがお店に持ってきてくれた講演会のチラシが、目にとまりました。
居酒屋さんの店長がニコっと笑って、『居酒屋から、日本中の美容師さんを元気にするぞー!!』と書いてありました。
見た瞬間、((けっ、なにが分かる。偉そうに…))と思いました。
そして、((だったら見に行ってやろう。この鬱の俺を、元気にしてみろ…))みたいな感じで、講演会会場に向かいました。
講演が始まり、最初は斜に構えて聞いていました。
でも聞いてるうちに、どんどん引き込まれて行きました。
しゃがれた声で、でも懸命に、まるで会場全体に訴えるような喋り方。
僕もその方の熱を、全身に浴びるような感じでした。
聞けば、その方も、うつだったそう。
仕事面で僕と重なる部分も多く、聞いてるうちに涙が溢れてきました。
もう精一杯それまで我慢してきたものが、一気に溢れ出し、止められなかったです。
◆その時録った音声動画:2分20秒。 音が出ます。
居酒屋てっぺん:大嶋啓介さん
「お前、もったいないって!ほんとは跳べるのに!!」
「今は、関係ないって!」
「今やる気のない人が、最高!キーマン!!」
((えっ!?言ってることが真逆…))と、驚きました。
普通、うつ病って、良くないんじゃない?
直すべきもの、というか、恥ずべきもの。
((でも、そのキーマンって、ようは今の俺のことだ))と、なんだか急に力が湧いてきたと言うか、視界が開けてきた感じでした。
もちろんそれまでも、治さなきゃと焦って、心療内科も回りました。
本なども読んだし、漢方薬なども試しました。
でも僕個人の意見としては、あまり目に見えた改善はなかった。
ま、働きづめ、休んでいなかった僕も、まずかったのですが…。
そしてなによりも、どこででも目にする『うつは再発しやすい病気』という言葉が、すごく嫌でした。
もちろん正しい言葉だとは思うのですが、
せっかく本人が治そうとしているのに、なんだかそれを「再発するよ」と打ち砕こうとしてくる感じで、嫌でした。。
で、その彼の立ち姿や話があまりにもカッコよくて、憧れすら感じました。
また僕の[うつ]に対する考え方も、一気に変わりました。
そしてしばらく続いたうつの方も、徐々に消え始めていくような感じでした。
急に元気出た!って訳でもなかったのですが、
でも熱を浴びるって、大切なことですね。
人の言葉の威力や影響力を、思い知りました。
そしてそこから、いろんなことが始まりました。

やる気のない人こそが、キーマン。
案外人って、悩み抜いている(いた)人の方が、いろんなもの、奥深いものを持ってるってこともありますよね。
そんな自分のターニングポイントとなった、12年前の2008年3月10日の出来事でした。